フルフルに食べられてみたかったので、フルフルの食道を自作した
初めまして、ライターの宇佐美と申します。
突然ですが、みなさんは「フルフル」という、モンスターをご存じでしょうか。
コイツ↓
モンスターハンターシリーズに登場するフルフルは洞窟などに生息していて、退化した目とゴムのような皮膚で覆われてるのが特徴のモンスターです。
見た目の気持ち悪さから、印象に残っている人も多いはず。
そして僕はこのフルフルに関して一つ夢があります。
それは……
そうです。食べられたいのです。いや、正確に言えば、飲み込まれたいが正しいのかもしれません。
ちょっと待ってください。引かないで!
モンスターハンターのゲーム内ムービーで、フルフルがケルビ(鹿のような動物)を丸飲みしているというものがあります。それを見た僕は思ってしまったのです……
飲み込まれたらぬるぬるして気持ちよさそう!
……って。皆さんも思いましたよね?
簡単に言うと、こうなりたい↑
誰に話してもドン引きされそうな企画ですが、一人の稀有な友人が撮影に協力してくれました。
本当にありがとうございます。
……では早速やっていきましょう。
まずは、食道作りに必要な道具を探します。
フルフル自体がゴムのような質感と描写されているので、ゴム素材のものを探しましたがなかなか良い物が見つかりませんでした。
なので、生き物の内臓に近しい凹凸や質感の物を中心に調べてみることにしました。
そして見つけたものがこちら↓
早速注文しました。
届きました。
早速開封して、中に空気を入れていきます。
空気入れを買い忘れたので、自力で空気を入れていきます。
でっけ。
これなら、僕がすっぽり入るフルフルの食道が作れそうです。友人と協力して作っていきます。
ブカブカだと食べられている感覚が味わえないので、僕の身体と同じ大きさに合わせます。
無事、僕を包み終えたのでビニールプールで縛っていきます。
大丈夫です。いじめられていません。
ここで一旦、中を見てみましょう。
ちゃんとフルフルの食道になってる!
まぁ、フルフルの食道なんて見たことないんですが……とはいえ生物の体内っぽさはかなりあります。
そして申し訳程度にフルフルらしさを出すために、周りに白い画用紙を貼っていきます。
そしてついに……
完成!!!!!!
……外見は物足りない感じがありますが、大事なのは人間もフルフルの食道も中身です。
どうせ食べられている時に外なんてわかりませんから。
ではお風呂場へ行き、中に入ってみようと思います。
大きすぎて、お風呂場からはみ出てしまいました。
また、奥にはローションを湯煎しています。(寒すぎて死んでしまうため)
ローションも温まったところで……
服のまま入るわけにもいかないので、水着に着替えました。
いや本当に寒すぎる。ローションを湯煎した程度ではどうしようもない感がありますが、無いよりはマシでしょう。
ローションを中に入れます。
勘のいい方は、ローションとビニールマットの親和性がスケベすぎることに気が付いているとは思いますが、僕は至ってまじめです。
では、食べられていきたいと思います。
これは……
なんか……
違うかも……
想像では、もっと体にフィットして食べられている感覚になると思っていたのですが……実際はただクソ冷たいビニールに囲まれているだけでした。
おかしい……こんなはずでは……
…………そうか。
頭から食べられればいいんだ……!
よくよく考えてみれば、フルフルに食べられるというシチュエーションで律儀に足から食べられるより、頭から食べられる状況の方が正しいのではないでしょうか。
たまたまゴーグルがあったあったので助かりました。
これは……!
さっきと全然違う!!
頭から入ったおかげで、より食べられているような没入感を得ることに成功しました。お腹に触れるマットの凹凸、ローションのヌルヌル感、絶妙に薄暗い食道。
かなりフルフルに食べられている感覚に近いように感じます。中に入れば入るほど、食べられている感覚が強くなっていきます。
正直、想像以上です。
ほぼ入りきりました。
ここから不測の事態が発生。
あれ……? 身体が動かせない……暗くて周りもよくわからない……
ちょっと待って……このままだと……
「助けてくれーーーッ!!!」
僕の身体のサイズと食道の広さを同じにしたので、身動きがほとんど取れなくなってしまいました。
完全にパニックになってしまいました。
なんとか友人に引っ張り出してもらいました。
まさか自分の作ったフルフルの食道で、本当に”死”を意識してしまうとは思いませんでした。
いや、むしろフルフルに食べられる=死。本当にフルフルに食べられる疑似体験ができたと言えます。
つまり、フルフルの食道を自作しようという企画……大成功なのではないでしょうか。
如何だったでしょうか?
想像と作ってみた物の乖離が著しく全然違っていたり、頭から食べられて死にかけたりしましたが、結果を見ればかなりフルフルの食道を再現できたと思います。
皆さんも好きなモンスターに食べられてみてはいかがでしょうか。
ありがとうございました。
じゃあ『4分33秒』を演奏するならどこが良いんですか
初めまして。
ライターの宇佐美と申します。
突然ですが、皆さんは『4分33秒』という曲を知っていますか?
これを読んでいる人たちの中には、『トリビアの泉』で紹介されていて既にご存じの方がいるかもしれません。
ここで初めて名前を聞いたという人に、ものすごく簡単に解説すると、『4分33秒』という曲はアメリカの音楽家ジョン・ケージが1952年に作曲した曲であり、
楽譜全てが休みの曲です。
じゃあ無音じゃん! と思うかもしれませんが、そうではないのです。
演奏場所の内外で偶然に起きる音、聴衆自身が立てる音などの意図しない音は存在する。沈黙とは無音ではなくて「意図しない音が起きている状態」であり、楽音と非楽音には違いがないというケージの主張が表れている。(Wikipedia調べ)
↑こうらしい
カッコいい。
これを実際のコンサートなどで、サプライズ演出でやったらさぞかしカッコいいのだろう。
とはいえ、きちんとしたコンサートホールでやっても防音設備はしっかりしていますし、お客さんも当然黙って聞いているはずなので、ほぼ無音と言っても差し支えないでしょう。
なので多少の差異はあるかもしれませんが、結局どのコンサートホールでやっても同じような『4分33秒』になっちゃいません??
じゃあ『4分33秒』を演奏するなら
どこが良いんですか
決めます。
どこが良いのか。
しかし、いくらすべて休みの曲とはいえ、楽器も持たずに……というのは曲や数多いる演奏家に失礼なのできちんと楽器を購入しました。
カリンバです。
これで準備万端です。
まず考えたいのが、Wikipediaに書かれていた聴衆自身が立てる音などの意図しない音は存在するという点。
つまり人が多い空間の方が意図しない音がたくさん発生するので、演奏場所に適しているのでは……?
人が多いところといえば……
新宿駅だッ
はい。
やってきました、新宿駅。
休日ということもあり、かなりの人混みです。GWということもあり、やはりかなり人がいます。
ここで『4分33秒』を演奏していきたいと思います。
では……
演奏開始!
流石に4分33秒もの音声を再生するのが面倒な人もいると思うので、僕文字起こしをした画像を見せたいと思います。
※記事の最後に実際の録音した音声を載せておくので、もしお時間がありましたら是非お聞きください。
どこか足早な靴音や、屋外広告の音、人々の喧騒。
まさに人々がいまここに生きていることを感じさせるような音楽ではないでしょうか。
ここにいる人全員がこの『4分33秒』の演奏者であり聴衆なのです。
では、次の演奏場所に行きましょう。
2つ目の場所は新宿駅と同じく人は多いが、また違った音を聞ける場所に向かいたいと思います。
新宿御苑に来ました。
やはり、新宿駅と同じく多くの人がいます。
良い感じに演奏できそうな場所を探しましょう。
天気がものすごくいいので、レジャーシートを広げてお昼を食べたりお昼寝している人が多く見られます。
良い場所を見つけたので、ここで演奏したいと思います。
では……
演奏開始!
以下、文字起こし画像です。
どうでしょうか。
平和という言葉を音で表すなら、もうこれなのではないでしょうか。
休日に仕事の疲れがまだ取れていないであろう親が自分と遊んでくれた思い出がありありと浮かんできます。鳥の囀りまで聞こえていました。新宿駅とは違いゆっくりとした時間が流れていることが容易に想像でき、友人や家族との穏やかな日々。そんな音楽でした。
では、3つ目の場所に向かいます。
人が関係した意図しない音はもう十分に録れたと思うので、次は自然の意図しない音がする場所で演奏したいと思います。
江ノ島に来ました。
天気は生憎の雨。しかしながら、『4分33秒』は意図しない音が音楽になるので、関係ありません。
良い感じに演奏できそうな場所を探します。
せっかく江ノ島まで来たのでやはり海の音は入れたいと思い、人がほとんどいなかった島の裏側までやってきました。
海も近く、いい場所が見つかりました。
雨脚も強まってきたので早速……
演奏開始!
以下、文字起こし画像です。
ビニール傘に当たる雨の音、奥から少し聞こえる波の音。
まるで世界に自分一人取り残されている孤独感があり、少し悲しさもある、でもそんな孤独感も悲しさもこの大きな海が全部洗い流してくれる……
そんな音楽でした。
最後の4つ目は、人の多い駅前、公園、そして人のいない海と来たので、人と自然が丁度良く両立している場所、観光地に向かいたいと思います。
海の次といえばやっぱり山です。
どんどん車を走らせて……
着きました!
日原鍾乳洞です。
日原鍾乳洞は奥多摩のさらに奥にあります。東京都は思えませんね。到着した時間が遅かったことが幸いしたのか、休日にもかかわらず思っていたほど観光客は多くなかったです。
では中へ入り演奏に適した場所を探したいと思います。
中は思っていたより広く、ひんやりとした空気が立ち込めており神秘的です。
人の邪魔になりにくく、良い感じの場所を見つけたので演奏していきたいと思います。
では……
演奏開始!
以下、文字起こし画像です。
滴り落ちる水の音、遠くから聞こえる観光客の声。その全てが反響し、普段聞くことのない音になっている。また、水琴窟の音も非常に神秘的になっていて、まさに地球の歴史を感じさせてくれる。そんな音楽でした。
※後で調べてわかったのですか、録音場所である水琴窟は日原鍾乳洞固有のものではありませんでした。しかしながら、鍾乳洞内にある水琴窟はあんまり無いと思うので、セーフということにしておいてください。お願いします!
すいません!
一位を決める企画だったのですが、どれも思っていたより良く一位を決めることができませんでした。
それに世界にはまだまだ聞きたい『4分33秒』が溢れていることに気が付いてしまいました。
なので理想の『4分33秒』を見つけるためにいろいろな場所、シチュエーションに訪れたいと思います。
いかがでしたでしょうか?
合計4つの演奏を聴いていただきました。
ここまで読んでくれた読者の方々はどの『4分33秒』が好みでしたか?個人的には新宿御苑の『4分33秒』が一番好みでした。やっぱり聞いているだけで心が穏やかになるような音楽で、何度も聴いてしまいます。
これから出掛ける時には少し立ち止まって、今いる場所の音を聴いてみるのもいかもしれません。きっとあなただけの音楽があるはずです。
では最後に実際に録音したものを置いておくので、是非聞いてみてください。
ありがとうございました。
※Twitterです→https://twitter.com/2511usamiryo